Coding POP!は、映画や音楽、アニメ、ゲームなどのポップカルチャーにおいて、革新的なコンテンツのテクノロジーを支えるエンジニアの仕事術を探っていく新連載。第1回は、大人気コンテンツ『アイドルマスター』シリーズの特徴的なグラフィックを作り上げたチーフプログラマにフォーカス。10年間に渡り人気を伸ばし続ける作品を支えた知られざる努力とは?
芸能プロダクションの新人プロデューサーとして、アイドルの卵をトップアイドルへと導く「アイドルプロデュースゲーム」という他に類のないジャンルで人気を獲得した『アイドルマスター』シリーズが、今年で10周年を迎える。
2005年にアーケードゲームの稼働がスタート。アイドルのプロデュースや衣装のコーディネートなどのゲームシステムやアイドルたちが歌い踊るステージシーンはもとより、セルアニメ調のグラフィックを3DCGに落としこむ「トゥーンシェーディング」の高い完成度から話題を呼び、家庭用ソフトやテレビアニメも次々とブレイクした。
前澤氏は、2007年発売のXbox 360版『アイドルマスター』よりハイエンド機タイトルのグラフィックプログラミングを足かけ10年に渡って手掛けている。
作品内で影がキャラクター自身に落ちる「セルフシャドウ」や、光源が常にカメラ視点について回る「View追従光源」などの技法は、前澤氏が導入したものだ。
今でこそグラフィックエンジニアのトップランナーとして活躍する前澤氏だが、驚くことにアイドルマスターに関わるまでは本格的なグラフィックス業務は未経験だったという。
そんな前澤氏が語ってくれた、ゲーム開発を通した自身の成長物語には、エンジニアが自らのスキルを磨き、これからのゲーム開発において生き残っていくためのヒントが詰まっていた。
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