◆報知新聞社後援 第95回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)
2区では、2016年リオ五輪男子3000メートル障害代表の順大・塩尻和也(4年)が、1999年三代直樹(当時4年)を上回る1時間6分45秒で日本人歴代最高記録を20年ぶりに更新。10人抜きで7位に貢献した。
軽快にピッチを刻む塩尻の脳裏に、1年前の失速劇が浮かぶ。だが、最後まで自分を信じて足を動かした。4度目の2区はタスキをつなぐと倒れ込んだ。「あぁ、よかった~。走り切れた」。19位から10人抜き、1時間6分45秒の爆走だった。「区間賞を取りたかったので悔しいけど、三代さんの記録になんとか届いてよかった。90点くらい」。大学の先輩の日本人歴代最高記録を、20年ぶりに1秒塗り替えた。
2016、17年は区間5位と結果を残したが、昨年は後半もたずに10位と低迷。14秒差でシードを落とす一因をつくった。「ふがいない走りだった。今回は走り切れてホッとしている」。例年より前半は抑え目に入り、15~20キロはペースを維持。プラン通りの23・1キロに、長門俊介監督(34)は「レースのコーディネートができるようになった。いけるところまでいくという走りが多かったが、後半までつくれるようになった」と、成長を口にした。
最速ランナーはインドア派のゲーマーだ。休日は部屋から出ない。好きなアイドルは「田中琴葉」。ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ」に登場するキャラクターで、この日も走る前にしっかりゲームにログインし、気持ちを高めた。「ちょっと軽く開いただけ。走るのにマイナスになることではないので」と説明。最後の箱根も普段通りを貫いた。
16年リオ五輪3000メートル障害代表で、昨年8月のジャカルタ・アジア大会でも同種目で銅メダルを獲得した今大会唯一のオリンピアンは、東京五輪へ「3000メートル障害、5000メートル、1万メートルのどれかで、まずは出場権を取ること。決勝に残りたい」と力が入る。チームメートからは「お塩さま」の呼び名で愛されるスーパーエースが、2020年へ加速していく。(高木 恵)
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