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作品発のユニットがアニサマに参加する流れの基点のひとつとなったのは、2008年の「中村繪里子・今井麻美・たかはし智秋・下田麻美 from THE IDOLM@STER」であったことは疑いないだろう。声優名を個別に並べる表記からも、手探り感が伝わってくる。当時の「アイドルマスター」は作品単独ではパシフィコ横浜での周年ライブを経験し、驚異の新人・沼倉愛美や原由実が鮮烈なデビューを飾った頃だった。2度のアニサマ出演をきっかけとしてライブコンテンツとしてのアイマスが大きく変化し、進化し、その成果を観測できたのが2009年のアニサマだった。
この日のステージを見ていたのが、数多くのメジャーアーティストのコンサートを手がけた経験を持つ舞台監督・演出家の浅野豪孝さんだった。浅野さんは2008年、5pb.系のライブを契機に「アイドルマスター」と関わりを持つようになる。後年、浅野さんがこの日のアニサマに出演した「中村繪里子・今井麻美・仁後真耶子 from THE IDOLM@STER」に関して「彼女たちを丸腰でステージに上げてはいけないと思った」という旨のことを話していたことが印象に残っている。
2009年のアニサマでアイマスチームは、「中村繪里子・今井麻美・仁後真耶子 from THE IDOLM@STER」による「THE IDOLM@STER」「キラメキラリ」「my song」という構成を選んだ。会場を爆発的に盛り上げるという1点において当時のアイマスが持つ最強戦力、高槻やよいの「キラメキラリ」でアニサマを、さいたまスーパーアリーナという怪物を突破するという強い意志を感じる構成だ。余談になるが、同日、アリーナ前のけやき広場のイベントで、沼倉愛美さんと原由実さんがアニサマの歴史に最初の一歩を刻んだのも覚えておきたい。